中曽根剣友会
理念

一 礼儀とは
辞書によれば、「礼を行う仕方、礼法、社会のきまりにあったつき合い上の行動や作法」と証明されています。要は、他人に不愉快な思いを察せないことです。
つまり、自分が他人を見た時、相手に何かされた時に「いやだなぁ」と思うことを自分が他人にしないことであり、うれしく感じることを気遣い行うことです。
剣道で礼儀正しいとは、道場入り口での下足の整頓、礼から始まる。身支度を良く整え竹刀を整備し、指導者の教えを素直に守り、訓練に励むことです。
練習にしろ、試合にしろ相手と竹刀を合わせた時は、真剣に、そして思い切り₍精一杯₎、自分の力を出し切ることが必要であり、相手に対する礼儀です。
勝敗の勝ち負けに拘らず自分の力を出し切ることは、気持ちの良いもので、決して相手を不愉快にすることはありません。
日々の練習に励むとともに、実生活でも礼儀正しくを実行していきたいものです。
一 気合とは
何かをするときに、自分自身の気持ちを奮い立たせるためのものです。
ですから、気合とは声を出さなくても「よし、やるぞ」、「頑張るぞ」と強く思い、これを実行できるならば、それは充分に気合が入っていると言えるでしょう。
剣道の教えに、「̪四戒(四つの戒め)」、「驚」、「恐」、「疑」、「惑」というものがあります。
驚く(相手の構え、技、気合に驚いて平常心を失うこと。)
恐れる(相手の体格、風聞等に恐怖心を抱くこと。)
疑う(相手がどう出るか、何を打ってくるかと疑心暗鬼を生ずること。)
惑う(相手にどう打っていこうか、どう応じようかと思い惑うこと。)
という気持ちを振り払わなければいけないという教えです。私達には、この四つの戒めを無言の気合いで振り払うことは、むずかし過ぎます。そこで、これを振り払うためには、大きな声を出すことが一番近道であり効果的なのです。更に、大きな声は相手を驚かせるという効果もあります。
ただ、誤解してはいけないことに「力み」があります。これは、気合いとは全く反対で自分の力を充分に発揮できず気のあせりから思わぬ失敗をすることになるので注意しなければなりません。
一 踏み込みとは
剣道の技は、気剣体が一致してはじめて有効な「一本の技」として認められます。大きな声で、いい打突でも踏み込みが弱ければ一本にならないのです。
踏み込むということは、前に出て行くということで、尻込みの反対に身体を前に出して、積極的に攻め込むことです。
普段の生活でも、あれこれやと悩むより積極的に一歩進んでみると、「なんだこんなものか、あんなに悩まなくてもよかったな」と思うことがあると思います。
「案ずるより産むが易し」です。剣道も同じことが言えるのです。先達の言葉に
切り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ 一歩進め あとは極楽 というものがあります。
これは、踏み込んでこそ活路がひらけるという意味なのです。私達も、いま一歩大きく踏み込んで、練習に励みましょう。
一 ただ一心に剣を振るとは
以上のことを心して、「正しく、力まず、数多く竹刀を振る。」ことが、上達の道ということです。
「上達のための、近道はない。」ことを忘れず、日々努力していきたいものです。